今日は、令和5年度 第28問について解説します。
賃貸住宅管理業者の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 賃貸住宅管理業者は、常に賃貸住宅の建物所有者や入居者等の視点に立ち、信義を旨とし、業務に誠実に従事することで、紛争等を防止する必要がある。
② 賃貸住宅管理業者は、自己の名義をもって、他人に賃貸住宅管理業を営ませてはならず、それに違反した場合は、その他人が賃貸住宅管理業者の登録を受けているか否かにかかわらず罰則の対象となる。
③ 従業者証明書を携帯させるべき者には、正規及び非正規を問わず賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にあり、賃貸住宅管理業に従事する者が該当し、賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にある者であっても、内部管理事務に限って従事する者は該当しない。
④ 賃貸住宅管理業者は、管理業務の一部を再委託することができるが、管理業務の適正性を確保するため、再委託先は賃貸住宅管理業者としなければならない。
解説
賃貸住宅管理業者の業務に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
賃貸住宅管理業者は、常に賃貸住宅の建物所有者や入居者等の視点に立ち、信義を旨とし、業務に誠実に従事することで、紛争等を防止する必要がある。
〇適切です。
賃貸住宅管理業者の業務処理の原則について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、信義を旨とし、誠実にその業務に行わなければならないとされています。
賃貸住宅管理業者は、常にオーナーや入居者等の視点に立って誠実に業務に従事することで、紛争等を防止し、円滑な業務の遂行を図る必要があります。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
賃貸住宅管理業者は、自己の名義をもって、他人に賃貸住宅管理業を営ませてはならず、それに違反した場合は、その他人が賃貸住宅管理業者の登録を受けているか否かにかかわらず罰則の対象となる。
〇適切です。
名義貸しの禁止について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、自己の名義をもって他人に賃貸住宅管理業を営ませてはいけません。
なお、名義貸しの禁止に違反した場合は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処され、またはこれらが併科されます。その他人が賃貸住宅管理業者であるかどうかは関係ありません。
ちなみにの罰則は、無免許営業、不正の手段による登録と並んで、賃貸住宅管理業法上では一番厳しいものとなっています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
従業者証明書を携帯させるべき者には、正規及び非正規を問わず賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にあり、賃貸住宅管理業に従事する者が該当し、賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にある者であっても、内部管理事務に限って従事する者は該当しない。
〇適切です。
証明書の携帯について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、管理業務を行う従業者に、従業員証明書を携帯させる必要があります。なお、関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければいけません。
また、内部での管理業務に限って従事する従業者は、従業者証明書を携帯する義務はありません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
賃貸住宅管理業者は、管理業務の一部を再委託することができるが、管理業務の適正性を確保するため、再委託先は賃貸住宅管理業者としなければならない。
×不適切です。
管理業務の再委託の禁止について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
管理受託契約に再委託に関する定めがあるときは、管理業務の一部を再委託することが認められます。なお業務の全部を再委託することはできません。
再委託先は、賃貸住宅管理業者の登録拒否要件に該当しない事業者が望ましいとされています。賃貸住宅管理業者である必要はありません。
つまり、賃貸住宅管理業者は、管理業務の一部を再委託することができますが、再委託先は賃貸住宅管理業者の登録拒否要件に該当しない事業者が望ましいとされています。(賃貸住宅管理業者である必要はありません。)よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢④となります。
賃貸住宅管理業法上の業務の規律については12項目あり、例年テーマを変えて出題されています。
ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。
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